Column 〉商品カタログ制作におけるデザインのポイントや外注時の注意点をご紹介
2024/11/15
カタログは自社の商品やサービスをより深く知ってもらうための非常に重要なツールです。良いカタログがあれば、それだけでお客様の心を掴むことができるので、営業担当者などが説明を加えなくても売り上げを向上させられる可能性もあります。
そんな、人の心をつかみ、購買意欲をかき立てることができるカタログとはどんなデザインのものなのでしょうか。
魅力的な商品カタログをデザインする時のポイントや、外注する時の注意点などをご紹介します。
1. 商品カタログとは?
魅力的な商品カタログを作るために、まずは商品カタログとは一体どんなものなのかを押さえておきましょう。
1-1. 商品カタログとは
商品カタログとは、自社の商品や展示物を品目ごとに整理して一覧化したものです。商品一つ一つの詳細(機能や使い方など)が価格とともに掲載されているケースが多いです。冊子もあれば、電子データ版もあります。
日常生活の中でも、家具や家電のカタログ、洋服のカタログなどを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。情報量が多いので、数百ページにわたる商品カタログも少なくありません。
1-2. 商品カタログの目的
商品カタログはお客様に商品やサービスを知ってもらった上で、「購入」をしてもらうことが目的です。商品の機能面やデザイン面、価格などを見て、実際に購入してもらうところまで持っていくというわけです。カタログを見ながら注文する商品を決めて、実際に申し込んでもらえれば目的達成といえるでしょう。様々な商品の情報を一気に見てもらうことができるので、まとめ買いやついで買いといった購買意欲をかき立てることもできます。
1-3. 商品カタログのターゲット
商品カタログを手にする方は、一定以上の購買意欲を持っていることが多いです。ある程度その会社や商品群に興味を持っていて、カタログを見て購入を検討しようと考えているといえます。
1-4. 商品カタログの活用場面
商品カタログの活用場面としてまず挙げられるのは既存顧客への手渡しや郵送によって提供することです。季節ごと、年度ごとなど、最新ラインナップの商品カタログを提供することで購入機会を増やすことができます。
各種展示会などに出店する際に、ブースに設置するという活用方法もあります。何らかのテーマに沿った展示会ではそのテーマに興味・関心のある方が集まっていますから、商品カタログを見て購入を検討してもらえる可能性があります。
そのほか、冊子だけではなく、自社のHPからアクセスできるように電子データのカタログを活用することも増えています。
1-5. パンフレットとの違い
商品カタログと似たものにパンフレットがあり、同じように捉えている方もいらっしゃるかもしれませんが、この2つは異なるものであるといえます。
まず、紹介されている商品の量が異なります。パンフレットは全ての商品を紹介するというよりも、ある特定の商品にフォーカスして、詳しく紹介するということが多いです。企業が最も売り出したい商品を全面的にアピールし、まずは企業や商品群に興味を持ってもらうことが目的であるといえます。パンフレットを手にする方は、カタログを手にする方ほど明確な興味や購買意欲を持っていることは少ないです。そうしたユーザーに対してブランドイメージを伝え、まずは興味を持ってもらうための仕掛けが施されているのがパンフレットです。商品カタログのように分厚いものではなく、数ページの冊子や見開き一枚のものもあります。
このように、商品カタログとパンフレットは掲載する内容も目的もターゲットも異なっています。
2. 商品カタログ制作におけるデザインのポイント
商品カタログのデザインを考えるには、商品カタログそのものの制作をどのように行えば良いかも知っておく必要があります。
この章では、商品カタログ制作のポイントも含めて、カタログ制作におけるデザインのポイントとは何なのかをご紹介していきます。
2-1. カタログの目的・用途を明確に設定する
目的や用途を明確にし、常にそれを意識しながら制作されたカタログは、見る人にわかりやすく興味を持ってもらいやすいものになります。逆に、目的や用途を意識せずに制作されたカタログはぼんやりとした印象になってしまい、本来は興味を持ってもらえるような商品を取り扱っていたとしても、魅力的にうつらない可能性があります。
目的や用途によって、レイアウトやデザインの仕方も変わってきますので、デザインを考える際にも重要なポイントとなります。
2-2. カタログのターゲットを明確に設定する
どんな層のどんな人がそのカタログをみるのか、ターゲットをはっきりとさせることも必要です。若年層向けであれば、はっきりとした色味の方が読みやすく、文字の大きさは大きいものから小さいものまで使用しても問題がない場合が多いですが、高齢層向けであれば鮮やかな色味よりも落ち着いた色使いの方が読みやすく感じる場合が多いですし、文字は大きめのものを使用する必要があります。年齢層だけでなく、性別や属性(学生や社会人など)、職業などによっても好まれるデザインに傾向がありますので、ターゲットを明確にした上でそこに合わせた内容やデザインを考える必要があります。
たくさんのお客様に見て欲しいと考える気持ちもあると思いますが、ターゲットを絞らずに制作をすると、誰にも刺さらない内容になってしまう懸念があります。
デザインの制作において、ターゲットの設定は特に大切であるといえます。
2-3. 最適な情報量に絞り込む
商品カタログは自社製品を網羅的に紹介することになりますので、どうしても情報量が多くなります。商品数が多い場合は特に、1つの商品に対する情報量が多すぎると単純に紙面に入り切らなくなる(分厚くなりすぎる)可能性もありますし、読者にも本当に伝えるべき情報が伝わらない恐れがあります。商品の魅力を伝えたいと思うと多くの情報を掲載したくなると思いますが、逆効果かもしれません。より魅力を伝えるためには、情報を精査して絞り込み、最適な情報量を掲載した方が結果的に商品の魅力を伝えることができます。
デザインをするフェーズにおいても、情報量が多すぎるととにかく見やすいレイアウトにするにはどうしたら良いかに終始するしかなくなりますが、最適な情報量に絞り込まれていれば、より見やすく魅力的に見えるデザインにするにはどうしたらいいのかという視点で考えることができます。
2-4. 検索性を考慮する
数百点、数千点という商品が掲載され、ページ数が何百ページにも及ぶカタログも少なくありません。1ページ1ページが見やすくなっていても、見たい商品まで辿り着くのに苦労するようなカタログは失敗作といえます。見たい商品がいかに探しやすいかという検索性を考慮した構成やデザインを考えなければなりません。
最初のページに目次を設定するだけではなく、商品カタログの巻末にカテゴリー別のインデックスを加えると検索性が高まります。その際、カテゴリーごとに名称だけではなく色を決めましょう。カテゴリーカラーに合わせて、本・冊子を開いた外側の小口と呼ばれる部分に色をつけたり、用紙の端まで色のあるデザインを入れることで小口に色味を加えたりするとさらに必要な情報が見つけやすくなります。
2-5. どのように印刷をするのかを決めておく
冊子で商品カタログを作る場合、印刷をどのようにするのかを決めた状態で構成やデザインを決めていかなければ、印刷した時にイメージと異なる仕上がりになってしまうことがあります。決めておくべきポイントは大きく分けて4点あります。
- カタログのサイズ
- カタログの用紙の種類
- カラー印刷時の色数
- 印刷方式(オンデマンドORオフセット)
カタログサイズによって全体の見え方は大きく変わりますし、用紙や色数、印刷方式によって発色や色味も変わってきます。どのように印刷するのかを決めた上で構成・デザインをすることでイメージに近い仕上がりを実現できるでしょう。
3. 商品カタログのデザインを外注する時の注意点
デザインは専門性の高い作業になりますので、自社でデザイナーを抱えていない場合は商品カタログのデザインにおいても外注するケースが多いと思います。
この章では外注する際の注意点をご紹介します。
3-1. 情報共有をしっかり行う
すでにご紹介した通り、商品カタログの制作においてはそのカタログの制作目的やターゲットを意識する必要があります。外注デザイナーはデザインのプロではありますが、会社や商品のことは知りません。そのため、どんな会社のどんな商品を、どんな目的で誰に伝えたいのかという部分を、しっかりと共有する必要があります。また、画像や商品リストもきちんと整理して共有するようにしましょう。
3-2. 希望イメージはできるだけ具体的に伝える
デザイナーにデザインは任せるという選択肢もありますが、希望するデザインイメージがある場合は、イメージに近い商品カタログの例を複数示すなど、できるだけ具体的に希望イメージを伝えるようにしましょう。感覚的な言葉で伝えてしまうと、全く違ったイメージで仕上がる可能性もあります。
3-3. 修正指示も具体的にする
一回で希望通りのものが出来上がるというのはなかなか難しいもので、修正を行うケースが多いです。この写真やイラストは削除してほしい、別のものに差し替えてほしい、文字数を◯%削ってほしいなど、修正指示はできるだけ具体的に行いましょう。希望に近い仕上がりが期待できるだけではなく、スムーズに進むでしょう。
4. まとめ
大量の商品を紹介するカタログは一定の購買意欲を持った読者が見ることになり、そこから実際に購入するに至るかどうかは、商品力だけではなくカタログに掲載されている内容やデザインにも左右されます。
見やすく、理解しやすく、検索しやすい商品カタログを作るためには、まずは目的やターゲットを明確にしましょう。その上で情報は過不足のない量になるよう精査し、印刷方法を決めた上でデザインを検討していきます。何百ページにもわたる商品カタログであれば特に、検索性を意識することを忘れないでください。