Column 〉社内報の自社制作と外注のメリット・デメリットを徹底比較
2024/04/17
社内環境の向上のために、社内報の制作をお考えではありませんか?制作に関して、費用は大きな悩みどころではないでしょうか。
社内報の制作には、主に自社で制作する方法と外注する方法があります。制作にかかる費用はそれぞれの方法で異なるので、どちらを選ぶべきか迷っている方も少なくないでしょう。
この記事では、社内報の制作にかかる費用について解説します。内製化と外注のメリットとデメリットを比較して、会社の体制にマッチした方法を選べるようにしておきましょう。
1. 社内報の制作にかかる費用相場
社内報制作の費用相場は、外注の場合1ページあたり15万円〜30万円ほどです。予算によって依頼できる業務の範囲が異なります。
実際の料金は制作会社ごとに異なるためあくまで目安ですが、依頼したい内容と費用感を把握しておきましょう。
原稿支給してデザインと印刷(1000部)を依頼した場合
例)
4P 120,000〜
8P 160,000〜
16P 280,000〜
取材・ライティング・撮影などを依頼する場合は、プラスの費用がかかります。
2. 社内報を自社制作するメリット
社内報の制作を内製化するメリットは、以下の通りです。
- 費用を抑えられる
- 企画運営の経験ができる
- 風土を理解した社内報を作れる
2-1. 費用を抑えられる
社内報を自社制作する大きなメリットは、費用を抑えられることです。
自社制作なら、力を入れるべき部分をコントロールできるため、予算を自由に組めます。
必要以上に費用をかけることなく、納得のいく仕上がりまで調整できるのは内製化ならではの利点といえるでしょう。
2-2. 経験を蓄積できる
社内報を自社制作するもうひとつのメリットは、経験を蓄積できることです。
企画や編集、ディレクションなどの経験は、他の業務にも活かせます。
制作プロジェクトを行った経験があれば、別の機会で冊子やWebデザインなどの制作を行うことになったときにも役立つでしょう。
プロジェクトを成功に導いた実績も、その後の活動によい影響をもたらします。
社内の経験を蓄積し、ノウハウを集めるという意味でも社内報の自社制作はおすすめです。
2-3. 社内の相互理解が高まる
社内報の自社制作を行うことによって、社内の相互理解が高まります。
社内報に入れる内容は、行事の告知や部署ごとの業務紹介などが中心です。 自分が所属している部署以外の業務内容や雰囲気を会社全体で共有することで、部署ごとの交流が促進されます。円滑なコミュニケーションを取れるようになれば、業務の効率化にもつながるでしょう。
また、自社制作にすることで社内の風土を反映した社内報を作成できるというメリットもあります。外注だとどうしてもイメージがズレてしまう可能性がありますが、社内で完結すれば完全にイメージ通りの仕上がりにできるのが大きなメリットです。
3. 社内報の制作を内製化するデメリット
社内報の制作を内製化するデメリットは、以下の通りです。
- 人的コストがかかる
- 時間がかかる
- クオリティの担保が難しい
3-1. 各種コストがかかる
自社制作をする場合、業務にあたるのは社員です。 社内報の制作だけに集中してもらうわけにもいかないので、多くの場合は他の業務と両立して行うことになります。 通常業務をこなしながら社内報の制作を行う負担は非常に大きいため、全体的な生産性が下がるリスクがあることも危惧しなくてはなりません。
また、自社制作だと取材や制作に使用する機材やソフトを用意する必要があるため、物品のコストもかかります。コスト管理を上手に行わないと、「外注にした方が安上がりだった」という結末になってしまう可能性もあります。自社制作のメリットは費用を抑えられることですが、どの部分にコストをかけるべきか、という考えは常に意識しておきましょう。
3-2. 時間がかかる
自社制作の場合、完成までに時間がかかります。
ノウハウがない状態ではさまざまな部分でつまずくことが予想されます。企画の立案からスケジュールの設定など、少しずつ進めていかなくてはなりません。
個人任せにするのではなく、会社全体として社内報を作成する意義を共有して、協力しながら進められるような体制を作るのがベストです。
3-3. クオリティの担保が難しい
自社制作の場合、クオリティの担保が難しいという問題もあります。
内容面はもちろん、編集やデザインなど品質にこだわって制作するのが理想です。しかし制作に関して知見のない状態で取り組む場合、満足のいくクオリティのものを生み出すのは難しいでしょう。
制作周りに詳しい人材がいればその人に任せることもできますが、担当者に依存してしまう状態は望ましくありません。
社内報の制作はその後の成長にもつながるため、多くの人を巻き込んで行っていくのがおすすめです。
4. 社内報制作を外注するメリット
社内報制作を外注するメリットは、以下の通りです。
- クオリティの高さに期待できる
- 社内のリソースを割く必要がない
- 専門家の意見をもらえる
4-1. クオリティの高さに期待できる
外注を活用する最大のメリットは、クオリティの高い社内報を制作できることです。
自社制作では気づけない問題も、プロに依頼することで解消できる可能性が高まります。
また、より品質を上げるためのアドバイスを得られることも外注ならではのメリットです。
費用はもちろんかかりますが、きちんと作り込むなら外注する選択肢も持っておきましょう。
4-2. 社内のリソースを割く必要がない
外注化すれば、社内のリソースを割く必要がありません。
従業員が他の業務と並行しながら制作にあたる場合、大きな負担が生じます。全体的な効率が悪くなってしまうのは本末転倒ではないでしょうか。
外部のリソースを活用することで、従業員には通常業務に集中してもらえます。会社の生産性を上げるという観点からも、外注を活用して社内報を制作するのはおすすめの方法です。
4-3. 専門家の意見をもらえる
専門家の意見をもらえることも、外注を活用する大きなメリットです。
制作を専門に扱う制作会社に依頼すれば、さまざまな視点からより成果を出すためのアイデアを出してくれるでしょう。
クオリティ面に限らず、どんなトピックを取り入れれば社員の興味をひけるのか、もっと楽しく見てもらうためにはどうすればよいかなど、プロジェクトを成功に導くためのアドバイスをもらえることもおすすめのポイントです。
5. 社内報制作を外注するデメリット
社内報制作を外注するデメリットは、以下の通りです。
- 費用が高い
- 社内風土を反映させにくい
- イメージに差異が生じる可能性がある
5-1. 費用が高い
外注化はクオリティの担保という面では非常におすすめの方法ですが、費用を考えるとそう簡単には動き出せないでしょう。
企画から製本・印刷までフル外注する場合、ページ数の多い社内報だと100万円以上の費用が必要になる場合もあります。
ページ数の少ない冊子であれば費用負担は少なくて済むので、どんな社内報を制作したいか決めてから外注を検討するとよいでしょう。
5-2. 社内風土を反映させにくい
外注の場合、社内風土を反映させにくいのがデメリットとして挙げられます。
会社の雰囲気を理解した社内報を作らなければ、想定している効果を十分に得られません。
せっかく費用をかけて作ったのに、思い通りの成果が出ないのは避けたいですよね。
外注を活用して制作にあたる場合は、まず担当者にどんなイメージの社内報を作りたいのかを正確に伝えることが重要です。 会社の雰囲気を伝えるために、日頃から細やかなコミュニケーションをとることを心がけましょう。
5-3. イメージと異なる仕上がりとなる可能性がある
もっとも気をつけるべきは、完成した制作物のイメージが異なる状態でできてしまうことです。
制作のプロに依頼する場合でも、100%想定通りのものができるとは限りません。
むしろ、イメージと少し違うものができることの方が多いと考えておいた方がよいでしょう。
こうした事態を避けるためには、綿密な打ち合わせを重ねて、イメージを共有することが大切です。修正希望がある場合は、どこをどう修正して欲しいのかを正確に伝えるようにしましょう。
6. 社内報の制作工程
社内報の制作工程は、以下の通りです。
- 企画立案
- 取材・インタビュー
- 原稿執筆
- イラスト・デザイン
- 印刷・製本
6-1. 企画立案
最初に行うのは、企画の立案です。
この工程では、社内報を制作する目的や狙いを明確化します。
6-2. 取材・インタビュー
企画が立ち上がったら、取材やインタビューを実施して社内報の中身を作っていきます。
インタビューの対象にするのは、部署内の中心となる人物や経営層に位置する人物などです。
日程調整を行って業務に支障が出ないスケジュールを考えましょう。
また録音機材の用意やインタビューする内容をまとめたシートの作成なども忘れず行う必要があります。
6-3. 原稿執筆
インタビューした内容をもとに、原稿を執筆します。
見出し構成や本文を執筆し、記事の形にしていきましょう。
ここでのポイントは以下の通りです。
- 文章としての誤りはないか
- わかりにくい表現になっていないか
- インタビューで聞き出した重要なポイントを盛り込めているか
- 構成は見やすくなっているか
読みやすくすることも社内報の制作を成功させる重要なポイントのひとつです。
これらの項目を意識して、クオリティの向上を心がけましょう。
6-4. イラスト・デザイン
文章ができたら、イラストやデザインを作成してさらに見やすい状態にしましょう。
デザイン作成に活用できるツールは以下のものが挙げられます。
- Illustrator
- inDesign
- Photoshop
- Canva
ただしこれらのツールを使いこなすためには、それなりの経験が必要です。
自社で制作する場合は時間がかかることも理解しておきましょう。
イラストやデザインは社内報のクオリティに直結する部分ですが、専門性が高い側面もあるため外注を活用してプロに任せるのもおすすめです。
6-5. 印刷・製本
イラストやデザインの制作が終わったら、印刷・製本を行って冊子の状態にしましょう。 この工程は自社で行うと非常に手間がかかるので、外注化を検討してみてもよいかもしれません。
印刷サービスは数々の種類があるため、サービス内容を調べたうえでどの会社に依頼するか決めましょう。
7. まとめ
社内報の配布は、社内交流を促進する効果的な手段です。
制作にかかる費用はページ数や外注先に依頼する業務の範囲によって異なります。
数ページだけの簡単なものだったら数万円ほど、大量に生産する場合は100万円程度の費用がかかることは理解しておきましょう。
すべて自社でまかなったり、すべて外注先に任せる必要はありません。自社で巻き取れる部分と外注に任せる部分を決めておき、コストを調整しておきましょう。